舌小帯短縮症について昨年にも投稿をさせていただいておりますが、もう一度詳しく掲載させていただきます。
舌小帯(ぜつしょうたい)は、舌の裏側にある薄い筋状の組織で、舌を口の底部につなげている部分のことを指します。
これは舌の動きを補助する役割を果たし、話す、飲み込む、または舌を動かすときに重要です。
しかし、一部の赤ちゃんや子どもでは、舌小帯が異常に短い、または硬いことがあり、これを「舌小帯短縮症(ぜっしょうたい たんしゅくしょう)」と呼びます。
以下に、舌小帯の機能や関連する問題について説明します。
舌小帯の役割
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舌の動きを補助する
- 舌小帯は、舌が適切に上下左右に動くのを支える役割を持っています。
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発音をサポートする
- 舌小帯が柔軟に機能することで、正確な発音が可能になります。特に「L」「R」「T」「D」などの音を作る際に重要です。
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飲み込みに関与
- 食べ物や飲み物を飲み込む際に、舌の動きを助けます。
舌小帯短縮症とは?
舌小帯が異常に短い、または厚く硬くなっている状態を指し、これが舌の動きを制限する原因となります。
「舌のつけ根がくっついている」と表現されることもあります。
主な症状
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新生児や赤ちゃんの場合
- 授乳時にうまく吸えない
- 母乳を飲む際に時間がかかる
- 母親の乳首に痛みが出る(吸う力が弱いため)
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幼児や子どもの場合
- 舌を上に持ち上げる、または舌を前に出すのが難しい
- 発音が不明瞭になる(特に「ら行」や「さ行」が苦手)
- 舌を自由に動かせないため、食べ物を飲み込むのに困難がある
見た目の特徴
- 舌の先端がハート型に見える(舌小帯が舌の先端付近まで繋がっている場合)
- 舌が口の底から持ち上がらない
舌小帯短縮症の影響
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授乳の問題
- 舌小帯短縮症の赤ちゃんは、舌を適切に動かせないため、母乳をうまく吸えず、栄養摂取が十分でない場合があります。
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発音や言語発達の遅れ
- 幼児期には発音に影響が出る場合があり、特定の音が正しく発音できないことがあります。
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食事の問題
- 舌をうまく動かせないことで、食べ物を口の中で移動させたり、飲み込んだりするのが困難になる場合があります。
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歯並びへの影響
- 舌の動きが制限されることで、歯並びや噛み合わせに影響を与えることがあります。
舌小帯短縮症の治療
治療
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経過観察
- 軽度の場合は治療を行わず、舌の成長に伴って改善することもあります。
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舌小帯切除術(舌小帯切離術)
- 舌小帯が舌の動きを著しく制限している場合、簡単な外科的処置が行われることがあります。
- 生後数ヶ月の赤ちゃんの場合は、短時間の処置で終了し、痛みもほとんどありません。
- 幼児や子どもでも、局所麻酔で処置が可能です。
舌小帯短縮症は多くの場合、専門医のサポートや治療で改善が可能です。