**上唇小帯(じょうしんしょうたい)**とは、上唇と歯ぐきをつなぐヒダ状の組織のことです。
上唇をめくると、前歯の中央付近にある細いスジのような部分を指します。
上唇小帯の役割
- 上唇と歯ぐきをつなぎ、口の動きを補助する
- 乳児の授乳や発音に関与する
- 歯並びや口腔機能の発達に影響を与えることがある
上唇小帯の問題点
1. 上唇小帯強直症(過成長)
上唇小帯が異常に厚く、長く成長すると、次のような問題が生じることがあります。
- 正中離開(すきっ歯)
上唇小帯が歯の間まで伸びていると、前歯が開いてしまうことがあります。 - 授乳のしづらさ
乳児期では、唇の動きが制限されることで、うまく母乳やミルクを吸えないことがあります。 - 発音の問題
「フ」「バ」「パ」などの発音に影響を与える場合があります。
2. 上唇小帯の短縮
逆に、上唇小帯が短すぎると、口の開閉や表情の動きが制限されることがあります。
治療方法
- 経過観察
軽度であれば、成長とともに自然に伸びることが多いです。 - ストレッチやマッサージ
赤ちゃんの場合、口を動かす練習やストレッチが有効なこともあります。 - 上唇小帯切除術
過度に発達した上唇小帯を、レーザーやハサミで切除する手術が行われることがあります。小児や成人で歯科矯正を妨げる場合に実施されることが多いです。
上唇小帯は通常問題になりませんが、発達が異常な場合は歯並びや発音に影響を与えることがあります。
気になる場合は、一度ご相談ください。